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膝蓋骨脱臼

  1. 犬を四肢で起立させ、獣医が犬の後方から触診し、脛骨稜・膝蓋靭帯・膝蓋骨の位置・アライメントと動揺性を確認する
  2. 犬を横臥位に保定(検査肢を上側にする)
  3. (内方脱臼を検査する場合)獣医の片方の手で脛骨を内旋させると同時に反対側の手で膝蓋骨を内方に圧迫して膝蓋骨の変位を触診する
  4. (外方脱臼を検査する場合)獣医の片方の手で脛骨を外旋させると同時に反対側の手で膝蓋骨を外方に圧迫して膝蓋骨の変位を触診する

Grade1

膝関節を完全伸展し、手で膝蓋骨を押すと容易に脱臼するが、手を離すと滑車へ戻る。関節摩擦音はしない。脛骨稜の内側への変位(膝蓋骨の外方脱臼では脛骨稜の外側への変位)は最小限であり、脛骨のとてもわずかな捻れが認められる。足根関節の外転はなく、膝関節は直線的に屈曲・伸展する。

Grade2

しばしば膝蓋骨脱臼がおこる。患肢は時々挙上するが、膝をわずかに曲げたままの状態で常に負重している。特に麻酔下では、多くの場合、手で脛骨を外側に回転させることによって脱臼を整復することが可能であるが、手を離し関節の緊張を解くと膝蓋骨は簡単に再脱臼する。30度ほどの脛骨の内旋と脛骨稜のわずかな内側への変位がある。膝蓋骨が内側に外れた状態のとき、足根関節はわずかに外転する。両側性である場合は、より体重を前肢に移動する傾向にある。
 このグレードの多くの犬は長い年月をある程度良好な状態で生活する。しかし、滑車の内側の滑車稜を越えて絶えず続く膝蓋骨の脱臼により、膝蓋骨の表面と内側唇の近位部分の糜爛をおこす。この結果、関節摩擦音が膝蓋骨を手で脱臼させるときに明らかとなる。

Grade3

膝蓋骨が恒久的に脱臼している。脛骨の回旋と頭-尾側平面から30~50度の間での脛骨稜の変位を伴っている。多くは膝を半屈曲位に保持した状態で肢を使う。滑車はとても浅いか一様に平らである。

Grade4

膝蓋骨は恒久的に脱臼している。脛骨は内側にねじれていて、脛骨稜はさらに内側への変位がある。その結果、脛骨稜は頭-尾側平面から50~90度の間に位置する。膝蓋骨は内側顆より上に位置し、膝蓋靭帯と大腿骨遠位端との間に間隙を触知することができる。滑車を欠く。あるいは一様に凸状である。患肢は挙上しているか、患肢を屈曲し、しゃがんだ状態で移動する。

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